介護職の持続的な待遇改善を実現するために、厚生労働省では、「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」を策定し、個々の事業者における経営改善や怖れに伴う生産性の向上を支援するべく取り組みの横展開や働きかけも強化が行われています。
令和4年12月に厚生労働省ホームページに慶されました、「介護職員の働く環境改善について」の内容をご紹介します。
介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ
【はじめに】
要介護認定者は現在680万人で今後さらに増加すると思われ、2040年には介護職員は280万人必要と推測されています。2040年にかけて生産年齢人口が急減し、介護人材の確保が高齢者介護政策の大きな課題となってきます。
今現在、政府では、補助金や介護報酬と言った公的価格の引き上げによる介護職員等の処遇改善を拡充しましたが、今後も持続的に待遇改善に取り組んでいくことは不可欠な状況です。したがって、今後も、経営の改善や、生産性向上の取り組みを通じて成果を上げ、従業員の賃金に適切に還元していただく事が期待されています。
【現状と課題解決の方向性】
現場で働く介護職員の勤務環境(残業の縮減・給与改善など)を改善する必要があるため具体的な働きかけや取り組みを進めていくことが重要。また、先進的な事業者においては、介護ロボットやICTの導入により、人員の配置の改善が図られています。
今後の課題、
⑴総合的・横断的な支援の実施
⑵事業者の意識改革
⑶テクノロジーの導入と業務効率化
などを進め、生産性向上を通じた待遇改善を図る必要があります。
【政策の具体的な内容】
⑴総合的・横断的な支援の実施 | ①介護現場革新のワンステップ窓口の設置 |
現状、支援実施主体がバラバラで圧ことから、一体的な支援が行われていないことを踏まえ、事業者への様々な支援メニューを一括し、適切な支援につなぐワンステップ窓口を各都道府県に設置する。また、各種補助金については、一層活用しやすい環境の整備を行う。 |
②介護ロボット・ICT機器の導入支援 |
課題に対応した代表的な導入モデルを紹介するとともに、体験・オンライン展示、活用可能な支援制度の紹介、職員向けの研修など、①のワンステップ窓口と連携して、導入活用に向けた伴奏支援を進める。 |
|
⑵事業者の意識改革 |
③優良事業者・職員の表彰等を通じた好事例の普及促進 |
現在職員の待遇改善や、人材の育成、生産性の向上などに取り組む事業者を都道府県が認証する取り組みを全都道府県での実施をめざす。特に優れた者には総理大臣が表彰等する仕組みを早期に導入し、優良事例の展開を図る。 |
④介護サービス事業者の経営の見える化 |
現在は、社会福祉法人などは財務状況の公表が義務付けられているが、介護サービス事業者全般についても、財務状況の公表を義務付け、データーベースを整備し見えるかを図る。 公表制度については、処遇の見える化などを通じた人材確保にも活用し、平均賃金や処遇改善の反映状況なども閲覧・比較が可能となるよう制度改正検討進める。 |
|
⑶テクノロジーの導入と業務効率化 |
⑤福祉用具、在宅介護におけるテクノロジーの導入・活用促進 |
在宅介護の情報共有や記録の円滑化などについて、調査研究を進め、活用を促進する。また、福祉用具貸与等の対象種目の追加についても、昨年4月に「排泄予防支援機器」が追加されたように、今後も、最新の記述が反映されるよう評価検討を進める。 |
⑥生産性向上に向けた処遇改善加算の見直し |
未取得事業者の取得促進を図ると共に、加算手続きの簡素化や現在の3本立てを一本化について検討する |
|
⑦職員配置基準の柔軟化の検討 |
現在、介護施設における職員配置は利用者3人に対して職員1人が基準となっているが、今後、テクノロジーや介護助手等の導入に伴い少ない人数での運営が可能になる可能性があるのだ、人員配置基準を柔軟に取り扱うなど検討する。 |
|
⑧介護行政手続きの原則デジタル化 |
2022年10月から運用を開始した電子申請・届出システムの利用原則化に取り組む |
参照:厚生労働省ホームページ 「介護職員の働く環境改善について」 より