年をとると、どうして便秘になりやすいのか?
2022.01.27掲載
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介護の仕事知識編

高齢者に起こる「便秘」は、いくつかに分けることができます。

①加齢に伴う食事量やADL(日常生活動作)の低下からくる便秘
②日常生活の活動量も低下するので、筋力も低下し、腸の動きが衰えます。これにより、腸の中の便が停滞することでおこる便秘
③高齢者では合併する心血管系疾患や消化器疾患、神経疾患などに対して治療薬が複数投与されていることが多く、薬剤の影響からくる便秘    

 このように、「便秘」と言っても、様々な要因が考えられます。
便秘の原因が分かったところで、消化と、排便の仕組みについて理解しましょう。

 

食物は口の中で、消化酵素を含んだ唾液と混ぜ合わされて胃に送られる
                 
胃で消化酵素を含んだ胃液が分泌され、食物は溶かされて十二指腸に送られる
                 
十二指腸で消化酵素を含んだ膵液が送られて分解が進み、小腸から栄養分が吸収される。
                  
最後に、結腸で食物のかすが分解され、残りの水分が吸収され排便となる

胃から腸までの消化管はつねにぜんどう運動をして食物を順に送っています

 

 介護の現場でのポイント!

 高齢者の中には、「はずかしい」「介護スタッフさんが忙しそうなので、トイレに行きたいと言いにくい」などの理由から、トイレに行く回数が少なくなり、便意があっても、我慢してしまうことが良くあります。いくら年をとったからとはいえ、排便を見られることは恥ずかしい事。それを理解したうえで、排便が出た時には、「良かったね」「すっきりしましたね」「健康的な便ですね」など、一緒に喜んであげると、利用者さんの羞恥心も少しは和らぐのではないでしょうか。そして、「いつでも行きたくなった時は声を掛けてくださいね」と言葉をそえてあげましょう。